- 2024/11/30
- 2024/12/3
【決定版】イギリスの大学の特徴や進学方法を徹底解説
この記事を書いたライター
留パス編集局
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イギリスの大学ってどんなイメージがありますか?
「オックスフォード」「ケンブリッジ」といった伝統と歴史を誇る有名校、世界トップレベルの教育環境、そしてグローバルな学生たちの交流…。魅力がいっぱいですよね。
実はイギリスの大学には、独自の3年制のカリキュラムや専門的な学びの環境など、他国とは少し違ったイギリスならではの特徴がたくさんあるんです。
この記事では、そんなイギリスの大学の魅力や進学方法、現地での生活、主要なトップ校などについて、初心者でも分かりやすくまとめました!
この記事のでわかること:
- イギリスの大学の特徴、メリットやデメリットについて
- イギリスの大学の費用や活用できる奨学金
- イギリスのTOP10名門大学について
- イギリスの大学に出願する上でのプロセスについて
イギリスの大学のメリット
1. 世界最高水準の教育
イギリスの大学は、教育水準が非常に高いことで知られています。
THE(Times Higher Education)の2025大学世界ランキングのトップ10には、オックスフォード大学やケンブリッジ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンの3校がランクイン。
ほかにも、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、マンチェスター大学、エジンバラ大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスなど、世界トップクラスの大学が集まっています。数多くの大学で質の高い教育が受けられるのは、イギリスの大きな魅力です。
2. 短期間で学位と終始を取得!3年制の大学と1年制の大学院
イギリスの大学の最大の特徴は、学士課程が基本的に3年間で修了することです。
これは一般教養課程が2年間ある日本やアメリカの大学とは異なり、1年目から専攻分野に特化した学びが始まるためです。
さらに大学院課程は1年で終了することが多く、学士と修士を合わせても最短4年で取得が可能。この短さが、学費や生活費の負担軽減にもつながるため、早く社会に出たい人には最適です。
ただし、スコットランドの大学は4年制が一般的なので、進学先を選ぶ際には注意が必要です。また、入学前にファウンデーションコースを受講する場合もプラス1年となり、学部卒業までに4年間を要することになります。
3. 奨学金が充実!学費負担も軽減可能
イギリスの学費は高額なのは事実ですが、アメリカの主要大学ほどではありません。アメリカが年間350万〜800万ほど学費がかかるのに対し、イギリスは250万〜500万円の学費が一般的です。
さらに、奨学金制度が非常に充実している点も魅力です。柳井正財団や笹川平和財団、JASSOをはじめ、日本の高校生でも申請可能な給付型奨学金が数多くあります。Tazaki財団などの支援を利用して高校生から奨学金を使った留学するケースも増えています。学費が気になる方は、地方の大学や奨学金プログラムの活用を検討すると良いでしょう。
また、イギリスの大学が個々に出している奨学金もあります。こちらは、支給額が年間£3000ほどになるものが殆どですが、成績の基準さえ満たしていれば支給されるものもありますので、是非大学のウェブサイトをチェックしてみてください。
4. 伝統と歴史に満ち溢れた国。ハリーポッターのような学生生活が待っている!
イギリスの大学生活は、まるで映画『ハリー・ポッター』の世界に飛び込んだかのような魅力に満ちています。
特にオックスフォード大学やケンブリッジ大学、ダラム大学などのカレッジ制を採用する大学では、歴史ある建築物や伝統的なコミュニティが学生生活を彩ります。
これらの大学では、寮生活を通じて仲間との深い絆を築くことができ、日本ではなかなか味わえない貴重な体験が待っています。
さらに、イギリスの大学では学生の自主的な活動を支えるソサエティ(サークル)文化が非常に発達しています。
趣味や興味に合わせた多様なソサエティが存在し、学生はこれらの活動を通じて充実したキャンパスライフを送ることができます。
また、サッカーやラグビー、ゴルフなどの発祥の地であるイギリスでは、スポーツ文化が地域に深く根付いており、大学においてもスポーツ系のアクティビティが非常に充実しています。これらの環境は、学生にとって学業だけでなく、多方面での成長と交流の場を提供しています。
5. ヨーロッパ諸国に旅行しやすい環境!
イギリスでの大学生活のもう一つの魅力は、ヨーロッパ各国へのアクセスが非常に便利な点です。例えば、格安航空会社を利用すれば、スペインへ片道わずか3000円程度で行けることもあります。
また、フランスやドイツ、イタリアなど人気の観光地へも、比較的低コストで訪れることが可能です。特にロンドンやマンチェスターの空港は国際線が充実しており、多くのフライトが利用できるため、目的地の選択肢が広がります。
5. 出願がシンプル!UCASを活用した効率的な入試システム
イギリスの大学出願は、UCASという統一システムを使用します。このシステムを利用すれば、最大5校まで一度に出願可能。必要な書類もシンプルで、1〜2ページのパーソナルステートメント(志望理由書)や高校の成績表を提出するだけ。多くの大学では面接が不要で、手続きが比較的スムーズです。
また、殆どの大学にファウンデーションコースがあり、英語力がまだ十分でない方でも進学が比較的容易なのもポイントです。
イギリスの大学の気になるデメリット
1. 天候の悪さが気分を左右することも…
イギリスと聞いて多くの人が思い浮かべる「曇り空や雨」。これは事実で、特に冬季は日照時間が短く、曇りや雨の日が続きます。この天候に慣れない留学生は、気分が落ち込んでしまうことも。ただし、旅行や帰省などでリフレッシュする方法を取れば、乗り越えられることが多いです!
2. 生活費が高い、特にロンドンは注意!
学費だけでなく、生活費も高額なのがイギリス留学の難点です。特にロンドンは生活費が非常に高額になることで知られており、最近では円安やポンド高、さらには現地の物価上昇が影響し、多くの学生が厳しい経済状況に直面しています。
食費をはじめとする生活必需品の価格も高騰しており、日々の支出が重くのしかかる現実があります。
関連記事 → 物価やすい?自然豊か?イギリスの地方の大学おすすめ5選!
3. 一般教養がないのは一長一短
イギリスの大学は、1年目から専攻分野に集中して学べるという特徴があります。このシステムは、専門知識をいち早く深めたい学生にとっては非常に魅力的です。一方で、一般教養の科目がほとんど含まれないため、幅広い知識やスキルを習得する機会が限られているのも事実です。
特に、まだ進路や専攻が明確でない学生にとっては、イギリスの大学システムは選択肢を狭めてしまう可能性があります。
例えば、アメリカや日本の大学では、最初の1〜2年間を一般教養課程として、自分の興味や適性を見極めながら専攻を選ぶことができますが、イギリスでは入学時点で専攻が決まっていることがほとんどです。
そのため、自分の進路に確信を持てない段階で専攻を決定するのは、少し窮屈に感じるかもしれません。
イギリスの大学の授業・カリキュラムの特徴
イギリスの大学は、学士課程が3年間という短期間であるため、1年目から専門性の高い内容に集中して学べる環境が整っています。すでに進路がはっきりしている学生にとっては、専門分野をいち早く深掘りできる点が大きな魅力です。
授業スタイルは多様で、基本的には大人数で行われるレクチャー(講義形式)と、少人数でのセミナーやワークショップ(ディスカッションやゼミ形式)が組み合わされています。このミックススタイルにより、知識のインプットとアウトプットの両方をバランス良く行えるよう設計されています。日本の大学では基本的には一方的に講義を聞く授業のみの場合が多いですが、イギリスの場合、ディスカッションベースの授業が多い分、教授との接点も作りやすいのがポイントです。
また、学部や専攻にもよりますが、イギリスの大学では殆どの学部において1年目の成績が最終的な学位評価にカウントされないことが多いです。この仕組みを活用し、多くの学生が1年目を友達作りや大学生活に慣れる時間として利用しています。学業に追われすぎず、学びと生活のバランスを取りやすいのは、学生にとって嬉しいポイントといえるでしょう。
イギリス大学の費用
イギリスの大学に留学する際、学費と生活費の両方を考慮する必要があります。一般的に、1年間にかかる合計費用は500万円以上が目安となります。学費や生活費は大学や地域によって異なりますが、以下に詳しくまとめます。
学費の相場
イギリスの大学の学費は、1年間で£15,000〜£30,000(約270万〜540万円)程度が相場です。
特にロンドンにあるユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)やキングス・カレッジ・ロンドンなどの大学は、£30,000(約540万円)近くと高めになります。
大学院の学費は、学部生よりもさらに高額で、£20,000〜£35,000(約360万〜630万円)ほどかかります。コースや専攻によって異なるため、進学予定の学科の詳細を事前に確認することが重要です。
生活費
ロンドンの場合:家賃、交通費、食費など、ロンドンでの生活費は特に高額です。年間で約£12,000〜£15,000(約216万〜270万円)かかることもあります。
地方の場合:地方都市での生活費はロンドンよりも抑えられ、年間£8,000〜£10,000(約144万〜180万円)程度で済む場合があります。
イギリスの大学生のお金事情については、以下の記事で詳しく説明しているので、是非ご参照ください。
費用負担を軽減する方法
イギリスの大学はやはり高額な費用がネックになる人は多いかと思います。そんな方は、奨学金の活用を検討してみましょう。柳井正財団や笹川平和財団、JASSOをはじめ、日本の高校生でも申請可能な給付型奨学金が数多くあります。Tazaki財団などの支援を利用して高校生から奨学金を使った留学するケースも増えています。
また、イギリスで学生ビザを取得すると、週20時間までアルバイトが可能になります。物価が高い分、時給も£12〜20(1400〜4000円)と高額なことが多いです。生活費の一部を補う手段として検討できます。
イギリスの名門大学をご紹介!
さあ、お待たせしました。いよいよイギリスの大学の紹介をしていこうと思います。
THE世界大学ランキング TOP10校
タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)が発行している『World University Rankings 2025』(世界大学ランキング)において、イギリスの上位10大学は以下のようになっています。大学名をクリックすると、各大学の詳細を見ることができます。是非大学選びの参考にしてみてください:
世界ランキング(THE) | 大学名 |
1位 | |
5位 | |
9位 | |
22位 | |
29位 | |
36位 | |
50位 | |
53位 | |
78位 | ブリストル大学 |
87位 |
ガーディアン紙の国内大学ランキング
また、THEやQSの世界ランキング以外に、ガーディアン紙が発行する「The Guardian University Guide」や「Complete University Guide」といったイギリス国内ランキングも存在します。これらは、学生満足度や就職率、教育の質などを重視するため、世界ランキングとは異なる結果になることが特徴です。例えば、研究成果が高い大学が必ずしも上位に入らず、教育支援や学生生活が充実した大学が評価されやすい傾向にあります。国内ランキングは、イギリスでの進学を検討する学生にとって、実用的な指標となっています。以下は、ガーディアン紙の2025年のイギリス大学ランキングになります:
ガーディアン紙国内ランキング | 大学名 |
| |
2位 | セント・アンドリューズ大学 |
3位 | |
4位 | |
5位 | |
6位 | ダラム大学 |
7位 | バース大学 |
8位 | ウォーリック大学 |
9位 | |
10位 | ラフバラー大学 |
イギリスの名門大学群ラッセルグループとは?
イギリスのラッセル・グループは、アメリカのアイビーリーグと肩を並べる存在として知られています。
1994年に設立されたこのグループには、イギリスを代表する24の研究型大学が集まっており、その中にはオックスフォード大学やケンブリッジ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)といった世界トップ10にランクインする名門校も含まれています。
ラッセル・グループの大学は、イギリス国内の研究助成金の約3分の2を受け取り、国内外から優秀な学生や研究者が集まる場として機能しています。
これらの大学は、幅広い分野で世界をリードする研究を生み出しながら、知的、文化的、そして経済的な発展に貢献する人材を育てています。
また、高い雇用率や学生満足度を誇り、手厚いサポート体制や少人数教育が学生生活をより充実させています。
以下の記事では、ラッセルグループについて詳しく説明しています。
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イギリスの大学への出願プロセス
日本の高校からの進学の場合
日本の一般的な高校教育からイギリスの大学に進学する場合、特例を除き、殆どの場合でファウンデーションコースという1年間の大学準備課程を踏まなければいけません。
このコースでは、イギリスの大学で求められる学術的な基礎知識、アカデミックスキル、そして英語力を身につけることが目的です。
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ファウンデーションコースを経由した入学だと、大学によってはIELTSやTOEFLのスコアが低くても合格しやすいケースがあります。
例えば、INTOというマンチェスター大学やダラム大学等の名門大学に進学できるファウンデーションコースは、IELTSのスコア5.0程度からでも受講可能であり、比較的簡単にイギリスの名門大学に入学できるシステムになります。
また、ファウンデーションコースの他にも、「インターナショナルイヤーワン」というコースを受講すると、2年目からの編入で合計3年間での卒業が可能です。
このコースは日本の大学からの編入を考えてらっしゃる方、高専等の専門学校を卒業された方にはぴったりのコースになります。詳しくは、以下の記事をご参照ください。
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ファウンデーションやインターナショナルイヤーワンのコースに出願する場合には、出願方法は大きく分けて2パターンあります。一つ目は、「UCAS」というイギリスの大学出願手続きサイトを使って出願をするパターン、もう一つはそれぞれのコースの公式サイトより出願するパターンです。
一般的には、日本の高校より進学する場合は、必要とされる資料は高校の成績証明書・卒業証明書、英語力を証明するスコア(IELTS、TOEFLなど)、志望動機書(パーソナル・ステートメント)、教師などによる推薦状、の4つになります。
インター校・海外の高校などからの進学の場合
イギリスの現地校やインター校などの出身で、A Level やIB(国際バカロレア)などの高校卒業資格を取得済み・取得予定の学生は、直接大学のコースに出願、進学することができます。この場合、高校卒業後最短3年での学位取得が可能になります。
出願は原則「UCAS」のプラットフォーム上で行うこととなります。提出する書類は、高校の成績証明書・卒業証明書、英語力を証明するスコア(IELTS、TOEFLなど)、志望動機書(パーソナル・ステートメント)、教師などによる推薦状、の4つになります。
基本的に殆どのイギリスの大学においては、面接などのプロセスはないので、UCAS上にて出願をしたら、合格通知が来るまでは追加のプロセスは必要ありません。ただ、オックスフォードやケンブリッジ、インペリアル・カレッジ・ロンドンなどの超難関校や、他の大学の競争度が高い学部においては、入試試験や面接が必須な場合もあります。必ず大学選びの段階で、それぞれの入試プロセスを確認するようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、イギリスの大学の特徴やメリット、進学方法、そして現地での学生生活や費用について網羅的に解説しました。
ポイントを振り返ると…
- イギリスの大学の魅力:イギリスの大学は、世界トップクラスの教育と研究環境を提供し、多様な学生に門戸を開いています。3年制の学士課程や1年制の大学院課程など、効率的に学位を取得できるカリキュラムは、早期にキャリアを築きたい方にとって理想的な選択肢です。また、奨学金制度や充実したサポート体制、さらには伝統的な学びの場であるカレッジ制など、イギリス独自の魅力が詰まっています。
- 進学方法と準備のポイント:ファウンデーションコースやインターナショナルイヤーワンを経て進学する方法や、UCASを活用した出願手続きについて詳しく解説しました。
- 費用や奨学金情報:生活費や学費が高額になる点に注意。学費や生活費の相場と、それを軽減するための奨学金制度やアルバイトの活用方法についても触れました。
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