米・カールトン・カレッジの留学体験談:アメリカ有数のリベラルアーツ・カレッジで学ぶ
カールトン・カレッジは、アメリカ有数のリベラルアーツカレッジとして知られ、質の高い教育環境とアットホームなコミュニティが魅力の学校です。少人数制のクラスで教授との距離が近く、幅広い学問に触れられる環境は、まだ専攻が決まっていない学生にもぴったり。今回は、2023年にカールトン・カレッジに入学したSotaroさんに、大学生活の魅力や日々の暮らし、留学を目指す人へのアドバイスを伺いました。
- 2024/12/3
- 2024/12/3
Sotaroさん
Carlton Colege
専攻: Economics and Statistics
- #正規留学生
- #2023年入学
- #理系
- #リベラルアーツ・カレッジ
- #アメリカ
カールトン・カレッジ入学前のSotaroさんの経歴について教えてください。
僕は日本で生まれ育ち、小学校は地元の公立校に通いました。中学校からは都内の中高一貫校に進学したんですが、そこが帰国子女が多く在籍している学校だったんです。周りに英語を喋れる同級生が多い中、自然と彼らに対する憧れが強くなり、留学を志すようになりました。
高校1年生のときにアメリカのボーディングスクールに編入し、留学生活をスタートしました。留学した当初は言語の壁に苦労しましたね。英語で流暢に話せなかったので、授業についていくのが大変でしたが、徐々に慣れていきました。アメリカ国内の大学への進学は、高校から自然な流れではありました。
Sotaroさんはなぜアメリカ、カールトン・カレッジを進学先として選ばれたのですか?
カールトンを選んだ理由のひとつは、リベラルアーツカレッジ特有の小規模で教授との距離が近い環境に魅力を感じたからです。大規模な大学で数百人の講義を受けるよりも、質の高い学びが得られると思いました。また、当時は自分が専攻にしたい分野を決めきれていなかったので、リベラルアーツの幅広い学問を学べる点も決め手になりました。
カールトンはリベラルアーツの中での国内の評価も高く、特に教授の質が全米で1位との評価があったので信頼できると思いました。実際に進学してみても、外れの教授に出会ったことはなく、どの教授も熱心にサポートしてくれます。
カールトン・カレッジに出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。
僕はCommon Appを使って出願しました。出願時期はRegular Decisionで、提出したエッセイはCommon App用のものだけで済みました。カールトンでは大学別や学部別の追加エッセイは求められなかったので、その分手間は少なかったです。また、インタビューもありませんでした。
他の大学はインタビューや大学・学部別のエッセイの提出も多かったので、その点カールトンの出願プロセスはシンプルで出願しやすかった印象です。
カールトン・カレッジの校風について教えてください。
カールトンの校風は、とにかくいい人が多いという印象です。ミネソタ州全体が「ミネソタ・ナイス」という言葉で知られるくらい、人の良さで有名なので、それが大学にも反映されている気がします。
学生たちは真面目な印象が強いですね。勉強に対する意欲が高く、成績を追求したり、自分の興味のある分野をとことん追求する「オタク気質」の人も多いです。一方で、パーティー好きな学生もいますが、全体から見ると少数派という感じです。
全体的には、リベラルな雰囲気の学校で、個性や多様性が尊重されている環境だと思います。
実際にカールトン・カレッジに行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
カールトンに実際に通って感じた一番良かった点は、教授の質の高さとアカデミックな学びの幅の広さです。教授たちはとてもサポーティブで、オフィスアワーを活用すると親身に話を聞いてくれますし、学問のサポートも丁寧にしてくれます。その姿勢がすごく温かくて、こちらも質問や相談がしやすい環境だと感じています。
また、学問に専念できる環境も良かった点ですね。正直、キャンパス内ではパーティー文化があまり盛んではないので(笑)、その分アカデミックに集中することができます。自分にとっては、その落ち着いた雰囲気が合っていて、とても充実した大学生活を送れています。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
カールトンで少し残念に感じた点としては、パーティーがあまり盛り上がらないところですね(笑)。全体的に娯楽の選択肢が少ないので、日常生活がやや単調になりがちです。地方の大学ということもあって、キャンパス外でできることもあまり多くはないですね。
ただし、学期末には自然と勉強に集中できる環境でもあります。特に授業が進むにつれて課題や試験が多くなり、結果的に学問に打ち込む時間が増えるので、それが自分にはプラスに働いている部分もあると思います。
カールトン・カレッジの授業のスタイルについて教えてください
カールトン・カレッジの授業は基本的に10〜20人の少人数クラスが中心です。30人規模のクラスもたまにありますが、それはかなり多い方ですね。この少人数のおかげで、教授との距離が非常に近く、質問もしやすい環境です。
授業スタイルは教授によってさまざまで、講義形式で進める方もいれば、ディスカッションを中心に展開する授業もあります。そのため、自分で能動的に参加する姿勢が求められることが多いです。
また、3セメスター制を採用しているので、1タームが10週間しかありません。他の大学で12〜14週間かけて行う内容をこの短期間で終わらせるため、ワークロードはかなり多めです。その分、1タームで履修するクラスは3つと少ないですが、授業が濃密なので学びの深さを感じられると思います。
カールトン・カレッジのキャンパスや施設の雰囲気はいかがですか?
カールトン・カレッジのキャンパスは、新しい建物と歴史ある古い建物がバランスよく混在しています。キャンパスの中心には広場があり、その周囲に主要な建物が配置されているため、とてもコンパクトで便利です。キャンパス内の移動も基本的に徒歩で完結し、遠い場所でも10分程度で到着できます。
広い敷地を持ちながらも、建物が密集して配置されているため、効率的に移動や活動ができる環境です。現代的な設備を備えた建物がある一方で、大学の歴史を感じさせる趣のある建物も多く、どちらも魅力的な雰囲気を作り出しています。
カールトン・カレッジでの生活環境はいかがですか?
カールトン・カレッジの生活環境は、ほとんどがキャンパス内で完結しています。寮はキャンパス内にあり、一般的に学生は4年間を通じて大学寮で暮らします。そのため、寮内でのコミュニティ形成が活発で、友人同士のつながりが強いのが特徴です。寮の種類は多岐にわたり、小さなハウス型の寮や特定の興味やバックグラウンドを持つ学生が集まるテーマ別の寮もあります。例えば、Asian HouseやCooking House、Farm Houseといった特色ある寮があり、それぞれの文化や趣味を共有する場として機能しています。ただし、1年目の寮割り当ては完全にランダムで、希望が通るかは運次第です。上級生になると選べる寮の幅が広がるため、少しずつ快適な環境に移行できるのが一般的です。
キャンパスの外にあるNorthfieldという街は徒歩圏内にありますが、規模は小さく、レストランが数軒ある程度です。大きな都市のようなにぎやかさはなく、落ち着いた田舎町といった雰囲気です。車があれば、40分ほどで大きな街に出ることができますが、車を持たない場合はキャンパス内での生活が中心になります。学食に関しては、特別おいしいわけではありませんが、日常的な食事をまかなうには十分な内容です。
カールトン・カレッジで特に印象に残ってるイベントはありますか?
在学中で特に印象に残っているのは、毎年春学期に行われる「Spring Concert」です。このイベントでは、キャンパス内に大きなテントが設置され、学生バンドやゲストアーティストがパフォーマンスを披露します。音楽だけでなく、キャンパスにはフードトラックが並び、さまざまな料理を楽しむことができるため、まるでお祭りのような雰囲気に包まれます。学校全体が一丸となって楽しむイベントで、多くの学生が集い、日常の勉強から解放されてリフレッシュできる貴重な機会です。
カールトン・カレッジでの日本人コミュニティについて教えてください。
大学内で日本語を話せる学生は全体で10人ほどで、そのうち3〜4人は日本の高校から進学してきた学生です。ただし、日本人同士での特別なコミュニティや関わりはあまりありません。
一方で、「Japanese Circle」というサークルがありますが、これは日本人同士の交流を目的としたものではなく、日本文化をカールトンの学生に紹介することを主な目的としています。このサークルには日本人以外の学生も多く参加しており、文化交流を楽しむ場となっています。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
高校まで日本で過ごしてきた人にとって、アメリカへの留学は「怖い」と感じるかもしれません。でも実際、アメリカにも日本的な性格の人が多いんですよ。いざ行ってみると、「日本とそんなに変わらないな」と思うことも多いです。
留学する前は、「日本人だから周りから浮いてしまうんじゃないか」とか、「アウトサイダーになるのでは」と不安になることもあると思います。でも、多種多様な人がいる、ダイバーシティーあふれた国なので、自分の性格に合う友達は必ず見つかりますし、周りの人も意外とフレンドリーです。心配しすぎず、自信を持って飛び込んでみてください!