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留学体験談

Cornell University

コーネル大学

米・コーネル大学での留学体験談:自然と調和するキャンパスで描く未来

広大な敷地に広がる緑豊かなキャンパス、川や滝が流れる景観、そしてアイビーリーグの中でも特に多様な専攻がそろうコーネル大学。東京で育ち、アメリカ系インターナショナルスクールを経てコーネル大学に進学したShunさん。幼少期のニューヨーク生活や昆虫学からランドスケープ・アーキテクチャーへの専攻変更など、ユニークな経歴を持つ彼に、キャンパスライフや大学の魅力、そして留学を志す人へのアドバイスを伺いました。

2024/12/3
2024/12/3
Shun

Shunさん

Cornell University

専攻: ランドスケープ・アーキテクチャー(Landscape Architecture )

  • #正規留学生
  • #2023年入学
  • #理系
  • #アメリカ

コーネル大学入学前のShunさんの経歴について教えてください。

僕は東京で生まれ育ちました。3歳から5歳までは親の仕事の都合でマンハッタンに住んでいました。両親が元々バイリンガルだったので、家では英語と日本語の両方を話していました。そのおかげで、小さい頃から英語には自然と馴染んでいたと思います。

日本に戻ってからは小学校から高校までアメリカ系のインターナショナルスクールに通い、授業はすべて英語で行われていました。周りの友達もアメリカ人や国際的なバックグラウンドを持つ人が多かったので、当時からアメリカの大学に進学するのは自分にとって自然な選択でした。高校ではAPコースを履修しながら、日本の大学も少し考えたんですが、柳井正財団の奨学金を得られたこともあって、アメリカ進学を決めました。

コーネルには昆虫学の専攻で入学したんですが、 入学後に自分の興味や将来の選択肢を考え直し、ランドスケープ・アーキテクチャーに専攻を変更しました。この学問は、自然、アート、社会学、工学など様々な分野を融合させたもので、環境とデザインの観点から社会に貢献できる可能性に魅力を感じたんです。

Shunさんはなぜアメリカ・コーネル大学を進学先として選ばれたのですか?

僕は当初は昆虫学で進学を考えていたのですが、そもそも昆虫学を学べるアメリカの大学自体が限られていて。その中でトップ校となるとさらに選択肢が絞られました。コーネル大学には、昆虫学のようなニッチな学問も含めて、たくさんの専門性豊かな専攻が揃っていて、色々な分野に挑戦できる環境が整っているのが魅力的でした。また、コーネルなら入学してから学びたい分野が変わっても、内部で違う専攻に変更しやすい仕組みがあるので、将来的な選択肢の幅を広げられるとも感じました。

コーネル大学に出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。

他のアメリカの大学と同様、Common Appを使って、コーネル大学に出願しました。出願には高校時代に履修していたAPコースの成績ACTのスコアを提出しました。また、Common App用のエッセイの他に、コーネルでは各学部用にエッセイも提出しなければいけませんでした。

コーネルの学部用エッセイでは、特に昆虫学への興味を軸に、環境に関する自分の取り組みや学びを深掘りしました。昆虫学が学べるカレッジ(学部)であるAgriculture & Life Sciencesに出願するにあたって、なぜこの学部を選んだのか、そして自分の過去の経験がどう関係しているのかを丁寧に説明しました。

出願プロセスの一環として、東京都内でコーネルの卒業生とのインタビューもありました。都内のカフェで1時間程度のカジュアルな会話形式で行われ、志望動機や大学への期待を伝える場としてとても良い機会になりました。インタビューでは、こちらから大学生活や学部についての質問をすることもでき、リラックスして臨むことができました。


コーネル大学の校風について教えてください。

コーネル大学の校風は、全体的に落ち着いていて、真面目な学生が多い印象です。田舎にある大学ということもあって、自然豊かな環境を好む、のんびりした雰囲気の学生が集まっています。都会の大学と比べると派手さは少なく、どちらかというと堅実で地に足のついた人が多い感じです。とはいえ、多様性が高いので、パーティーを楽しむ人もいれば、そうでない人もいて、それぞれのペースで自由に過ごせるのが特徴ですね。

コーネルはアイビーリーグでありながら州立の支援を受けている学部もあるため、学生の経済的なバックグラウンドも多様です。ニューヨーク州出身の学生は学費が割安になる仕組みもあり、経済的なサポートを受けながら通っている学生も多い点が特徴的だと思います。この多様性が、大学全体の魅力をさらに引き立てています。

実際にコーネル大学に行ってみて良かったと感じる点を教えてください。

まず、学食のクオリティがとにかく高いです。コーネル大学はアメリカ国内の大学食堂ランキングでも上位に入る評価を得ているだけあって、大学内にある5つの食堂はどれも充実しています。最近新しくオープンした食堂があるんですが、世界中の料理が提供されていて、サラダバーとかも充実してます。食事の選択肢が豊富なので、毎日の食事が楽しみです。アメリカは学食が美味しくない大学が多い中、これはいい点ですね。

次に、学部の選択肢が非常に多様な点が魅力です。アイビーリーグの中でもコーネルは特に専攻の種類が豊富で、例えば僕が専攻した昆虫学やランドスケープ・アーキテクチャーのようなニッチな分野からコンピューターサイエンス、ホテルマネジメントなどの人気学部まで幅広い選択肢があります。自分の興味に合わせて柔軟に専攻を変更できる環境も良いところだと思います。

逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?

まず、多種多様な生徒が集まっている反面、自分の専攻以外の人と触れ合う機会が少ないと感じることがあります。キャンパスが広大すぎて、人と自然に会う場面が限られてしまうこともあり、特に最初の頃は友達を作るのが難しいと感じることもありました。今年からいくつかのクラブやソサエティに積極的に参加し始めてから、少しずつ友達の輪は広がりましたが、それでも専攻や関心が違う人たちと関わる機会をもっと増やせたら良いなと思っています。

また、キャンパスへの主要都市からのアクセスが抜群に悪いですね。大学があるイサカはニューヨーク州の自然豊かで美しい街ですが、ニューヨークシティの中心部からはバスで5時間ぐらいかかる超ど田舎の環境です。一応イサカにも空港はあるのですが、便数が少なくアクセスは良いとは言えません。このため、キャンパスの外に出ることが殆どなく、学生だけの閉じられた環境にいるような感覚になることがあります。ときどき休みにニューヨークなどに出かけて息抜きをしないと、少し孤立したような気分になることもあります。

コーネル大学の授業のスタイルについて教えてください

コーネル大学の授業スタイルは専攻や学部によって本当に多様です。僕自身、最初は昆虫学を専攻していたんですが、その時はアウトドアでの授業が多くて、校内の森で実際に昆虫を採集したり、観察したりしました。ただ、レクチャーのクラスが多く、200人規模の大きな講義で教授との距離は遠く、内容を深掘りするための少人数クラスはTeaching Assistant(TA)とのディスカッション形式が中心でした。

現在のLandscape Architectureのコースでは、授業スタイルがまったく違います。ほとんどがスタジオやアトリエ形式で、実践的なプロジェクトが中心です。例えば、植物のデザインを学ぶ授業ではキャンパス内外で実際に植物を観察したり、コーネルが協力する農業施設で草原を復活させるプロジェクトに取り組んだりしています。クラスのサイズも10〜15人ほどと小規模で、教授との距離も近いのが特徴です。

専攻によっては、講義の規模が大きいこともあります。例えば、コンピューターサイエンスは人気があるので、講義が大人数で教授との距離が遠いことも。逆に、少人数での密な授業もあれば、ワイン作りやワインのエチケットを学ぶ授業、毎週森に出てキノコ採集をする「Magical Mushrooms」といったユニークな科目も履修できます。専攻外の授業も取れるので、自分の興味を広げるには最適な環境だと思います。

全体的にワークロードは多めですが、それぞれの専攻にカスタマイズされた授業内容が充実しているので、学びの幅も広いし、深く掘り下げられるのがコーネルの魅力ですね。

コーネル大学のキャンパスや施設の雰囲気はいかがですか?

コーネル大学の施設は、とにかく広大で自然が豊かです。ニューヨーク州の田舎に広がるキャンパスは、まさに「自然と学びが共存する場所」といった感じで、建物やエリアごとに個性があります。僕がいる農学部は”Ag Quad”というエリアに集中していて、学部ごとにキャンパス内のエリアが分かれています。建物は歴史あるレンガ調のものが多く、外観には伝統を感じる一方で、内装は最新の設備が整っていてとても快適です。さらに、ジムが5つあり、テニスコートも無料で利用できるなど、運動好きな学生には嬉しい環境が整っています。

キャンパスの敷地内には川や滝なども流れていて、毎日授業に向かうだけでも、まるで森の中を散策しているような感覚を味わえます。四季折々の自然も楽しめて、春には花が咲き、秋には紅葉が広がる環境で学べるのは本当に贅沢です。僕は入学して2年目ですが、広大な敷地はまだ開拓しきれていないですね(笑)。今でも校内を歩いていると、見たことない様々な学部の建物や庭園、美術館を見つけたりと、新しい発見の連続です。

コーネルのキャンパスはアイビーリーグでも随一の充実度だとは思います。全米で「最も美しいキャンパス」の一つと言われるのも納得の施設と自然環境ですね。

コーネル大学での寮事情はいかがですか?

コーネル大学では、最初の2年間は寮生活が義務付けられています。1年生の寮は主にキャンパスの北部に集約されており、新しい建物が多い一方で、古い寮も混在していてクオリティには差があります。寮のアロケーションは基本的にランダムなので、1年目の寮は運に身を任せるしかないですね。最近は、学生数が増えた影響で、二人部屋に三人が入れられることもあり、時にはラウンジが仮の居住スペースになるほどぎゅうぎゅう詰めの状況になることもあります。僕が住んでいた寮は、複数の部屋がリビングルーム・キッチン・シャワーを共有するスタイルで、ルームメイトとの交流が楽しかったですね。一緒にご飯を作ったり、部屋でリラックスしたりと、生活の一部がコミュニティで成り立っていました。

2年生以降になると、多くの学生がWest Campusの寮に移ります。基本的な生活環境はNorth Campusと似ていますが、より静かで落ち着いた雰囲気が特徴です。また、寮以外にもCo-opというシェアハウスのようなオプションもあります。これはキャンパス内で20人規模のテーマごとのハウスに住むもので、アートが好きな人や留学生のグループなど、特定のコミュニティに属する人たちが集まる仕組みです。ここではみんなで料理をしたりする密なコミュニティが形成されていて、シェアハウスなので通常の寮よりも生活費などの費用が抑えられることも魅力的です。

3年目以降はイサカの街中にアパートを借りる人も多いですが、4年生まで学生寮に残る人も一定数います。全体として、どんな生活スタイルを選んでも、自分に合った形で大学生活を楽しめる環境が整っています。

コーネル大学での生活環境はいかがですか?

コーネル大学の生活は、ほとんどがキャンパス内で完結します。キャンパス内にはCornell Storeというお店があり、日用品や生活必需品はそこでほとんど揃うので、基本的な日常生活には困りません。また、学内には複数の食堂やカフェも充実しているので、食事に関しても心配する必要はないですね。

キャンパスの外に出ると、徒歩20分ほどのところにコンビニやちょっとしたお店がいくつかあります。もし遠出をする場合には、基本的には車を持っている学生や友人と一緒に出かけることが多く、自分の足だけで街を回るのは少し不便に感じることもあります。

コーネル大学で特に印象に残ってるイベントはありますか?

在学中で特に印象に残っているイベントは、まず「Slope Day」です。これはコーネル大学の春学期の終わりに開催される一大イベントで、アメリカの有名なアーティストがライブパフォーマンスをするんです。過去にはDrakeやKanye West、Kendrick Lamarといった大物アーティストも登場したと聞いています。今年も盛り上がりましたね。授業や試験が終わった後にみんなでお祭り気分で楽しむこのイベントは、学期の締めくくりとして最高です。ちなみに、イベント名の由来になっている「Slope」というのは、キャンパス内の中心部にある大きな坂のことで、その坂の広場で開催されるので、開放感があってすごくいい雰囲気なんです。

コーネル大学入学前、知っておくべきだったことはありますか?

入学前に知っておくべきこととして、まず「最初の数ヶ月でいかに多くのソサエティやクラブ活動に顔を出すか」が大事だと思います。特に1年目の序盤は、みんな友達を作ることに積極的なので、このタイミングで自分から動くのがポイントです。逆に、2年目以降になると仲の良いグループが固まってくるので、新しいつながりを作るのが難しくなる印象があります。だから、興味のある活動にはとりあえず参加してみるのがおすすめですね。

コーネル大学での日本人コミュニティについて教えてください。

コーネル大学の日本人学生は、学年あたり10人程度だと思います。その中で日本から直接進学してくる学生は4〜5人くらいで、その他は海外のローカル出身者がほとんどです。交換留学生はほとんど見かけませんね。総じて、大学全体で日本人は40人ぐらいですかね。

大学にはJUSA(Japan US Student Association)というコミュニティがありますが、日本人だけでなく、日本文化に興味があるアメリカ人や他国の学生も多く所属しています。そのため、日本人同士だけで固まるというより、多様なバックグラウンドを持つ人たちと一緒に活動できる環境です。

最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!

最初にアメリカに来たときは、「本当にこれで良かったのかな?」と不安になることも正直ありました。でも、留学を通じて日本では出会えなかったような多様なバックグラウンドを持つ人たちとつながることができ、その経験が自分を大きく成長させてくれたと感じています。

積極的にいろんな人と話してみることが本当に大事だと思います。最初は少し勇気が必要かもしれませんが、その一歩が新しい友人や価値観との出会いにつながります。色々な視点を知ることで、自分の世界に対する見方や考え方も変わり、さらに広い視野で物事を考えられるようになります。

なので、留学を目指す皆さんも、ぜひいろんな人と触れ合い、自分の世界を広げる経験を楽しんでください!

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