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留学体験談

Harvard University

ハーバード大学

米・ハーバード大学の留学体験談:世界最高峰の教育とその魅力を徹底解剖

言わずと知れた世界トップクラスの大学、ハーバード。ネームバリューが先行し、その実態や魅力を意外と知らない人も多いかもしれません。今回は、ハーバード大学で社会学を専攻し、日々多彩な経験を積んでいるAnnaさんに、在学中のリアルな体験を伺ってみました。Annaさんの目を通して見えるハーバードの魅力や、日々の学生生活を紐解きます。

2024/10/13
2024/12/13
Anna

Annaさん

Harvard University

専攻: 社会学(Sociology and Data Analytics Track)

  • #正規生
  • #2023-2027
  • #文系&理系

ハーバード入学前のAnnaさんの経歴について教えてください。

私は生まれはアメリカですが、1歳から高校卒業までずっと日本で過ごしました。小学校はインターナショナルスクールに通い、その後、中高一貫の私立校へ進学。高校では、アドバンスト・プレイスメント(AP)の科目を4教科履修しました。高校卒業後、渡米しハーバード大学に直接進学しました。

Annaさんはなぜアメリカ・ハーバード大学を進学先として選ばれたのですか?

実は、ハーバードは最初からの第一志望ではなかったんです。高校2年生の終わりまでは、まさか自分がアイビーリーグの大学に受かるとは思っていませんでした(笑)。そんな中、高校の仲の良い先輩がハーバードに進学したんです。身近な人が合格したことがきっかけで、「自分も頑張ればアイビーリーグの大学を目指せるかも!」と考え、ハーバードを含むアイビーリーグの大学を志望するようになりました。

あと、ハーバードはFinancial Aid(奨学金制度)が充実しており、親の年収に応じた給付型奨学金が整備されています。そのおかげか、様々なソーシャルバックグラウンドを持つ学生が集まっているので、視野が広がり、様々な価値観に触れることができることも、魅力に感じました。

ハーバードに出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。

私は日本から直接ハーバード大学に出願しました。10月ごろにEarly Decision(早期出願)で出願し、Common App(米国大学統一出願システム)を使って申請しました。必要な書類は、Common App上のエッセイ、ハーバードの設問に答える形式のエッセイ、SAT、TOEFL、それに高校でのAPの成績です。

出願の準備は夏休み前、6月頃から本格的に始めました。まず、学校の先生のサポートを受けながらエッセイのブレインストーミングを行い、7月の終わりまでにエッセイのざっくりとしたドラフトを仕上げました。その後、エッセイの内容を何度も何度も見直し、改善していくプロセスにかなりの時間を費やしました。エッセイの内容や表現を洗練させるために、先生や友人、先輩など多くの人にフィードバックをお願いし、最終的に納得のいくものを完成させました。

エッセイを書くのは特に大変でしたね。例えば、Common App用のエッセイでは、日本の歴史教育において「日本帝国主義」に関する内容を教えられなかったことについて書きました。なぜ学校では戦時中の負の歴史を教えてくれないのかをテーマに、歴史教育の在り方について意見を述べました。

出願後、11月中旬にハーバード卒業生とのインタビューがありました。面接室でかしこまった雰囲気なのかと思いきや、都内のスタバで落ち合い、カジュアルな雰囲気の中お話をしました(笑)。普段のエッセイでは語りきれない自分の人柄や情熱を伝える良い機会だったと思います。そのインタビューから1ヶ月ほどで、合格の通知が届きました。

ハーバード大学の校風について教えてください

ハーバードは、全体的にリベラルな雰囲気です。パーティーが好きな学生もいれば、真面目に勉学に取り組む学生もいて、みんな自分のスタイルを持っているので一概に「こういう雰囲気だ!」とは言えませんが、自由でのびのびとした環境だと思います。

また、多様性が尊重されており、学生の意見を大切にする環境が整っています。キャンパス内では政治的なプロテスト(抗議活動)がよく行われていて、たとえばパレスチナ問題についてのプロテストもありました。もちろん、イスラエル側を支持するプロテストもあり、さまざまな立場や意見が尊重されているのを感じます。生徒の安全を考慮した上で、暴動にはならないように大学側がコントロールをしながらも、学生の意見を主張する場所は常に大学が提供しています。ですので、学生たちものびのびと自分の意見を主張する文化が浸透しているように感じます。

写真:パレスチナの主権を主張する学生デモが校内で行われている様子

実際にハーバード大に行ってみて良かったと感じる点を教えてください。

アドバイザー制度の存在が一番良かったですね。ハーバードでは、1年生の時から専属のアドバイザーがそれぞれの学生についてくれます。興味のある分野について相談したり、イベントやクラブ活動を紹介してくれるので、自分の目指す学生生活をサポートしてくれる大きな助けになります。どんな小さな悩みでも相談できるメンターのような存在がいてくれるので、スムーズに大学生活にアジャストできました。

また、アカデミックはもちろん、課外活動の充実度も素晴らしいです。コミュニティ作りを大切にする風潮があり、クラブ活動などの選択肢がたくさんあります。私は、ダンス、テコンドー、Japan Policy Networkの3つの団体に所属しています。ダンスやテコンドーは全くの初心者でしたが、挑戦したいと思った時にすぐに入部でき、心身ともに充実した日々を過ごしています。

写真:Annaさんが所属しているダンスクラブでの活動の様子

逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?

これは悪い点かはわからないですが、政治学の授業では、周りの学生たちがとても主張が強く、最初は圧倒されました。自分の意見を強く主張する姿勢は私にとっては馴染みのないもので、自信を無くしてしまったこともありますが、そこで物おじせずに自分の意見を述べることの大切さを学びました。これもハーバードに通ったおかげで得られた経験です。

大学の授業のスタイルについて教えてください

ハーバードの授業は、主にレクチャーセミナーセクションの3つのスタイルが組み合わされています。それぞれの授業スタイルが異なる役割を持っていて、効率的に学びを深めることができます。

まず、レクチャーは大人数で行われる形式の授業です。レクチャーホールで教授の話を聴きながら、理論や知識をインプットするスタイル。ここでは基本的にパッシブな授業が多く、教授が一方的に話す形式なので、内容を聞き取り理解することに集中します。

次に、セクションという少人数(10人程度)のディスカッション形式のクラスがあります。レクチャーで学んだ内容をさらに掘り下げて議論したり、実際の生活でどう応用できるかを考える、リアルライフアプリケーションを重視した授業です。レクチャーでわからなかった内容をここで先生に聞いて確認したりもできます。

さらに、セミナーという授業スタイルもあり、こちらは教授と学生の距離が非常に近く、個別の意見交換を重視した内容になっています。

また、ハーバードにはOffice Hoursという制度があり、学生が教授に直接会いに行き、個別に質問や相談ができる時間が設けられています。積極的にコミュニケーションを取りたい学生にはとても恵まれた環境ですね。

キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?

キャンパスはとても整備されていて、校内の至る所に図書館などの勉強スペースがあります。また、理系向けのラボやデータ分析用の研究スペースなど、各専攻に合わせた施設も豊富です。キャンパス内は自然が多く、特に秋の紅葉はとても綺麗でリラックスできます。

さらに、ジムやリクリエーション施設が4つあり、学生は無料で利用可能です。

写真:校内 “Harvard Yard”での一コマ

学校外での生活環境はいかがですか?

ハーバードでは、1年目は全員がHarvard Yardエリアにある専用の学生寮に入ります。2年目以降は、仲の良い友人とグループを組んでランダムで寮が割り当てられます。寮の質や場所はランダムですが、どの寮もキャンパス内や近辺にあり、授業へのアクセスはとても便利です。

また、キャンパスの外に目を向けても、ボストンは「学生の街」と呼ばれるほど多くの大学が集まっていて、治安も良いです。夜遅くに一人で歩いていても特に心配はありませんし、学生割引が使えるお店や施設も多いので、生活面でもとても住みやすい場所だと思います。

写真:寮の食堂の様子

在学中に印象に残ってるイベントはありますか?

ハーバードでは、大学が主催するイベントはもちろん、クラブなどの学生団体主催のイベントにおいても著名なゲストスピーカーが頻繁に来校し、さまざまなイベントで講演を行います。特に印象に残っているのは、日銀の黒田前総裁がハーバード大のJapan Policy Network主催のイベントに来たことです。直接お話を伺えたのは貴重な経験でした。

また、ポルトガルの大統領など、各国の首長クラスの方々もビジネススクールのイベント等で登壇されており、世界中のリーダーたちからカジュアルに話を聞けるのがハーバードの大きな魅力だと感じています。

入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?

中高時代、早い段階から課外活動に取り組んでおいてよかったと思います。特に自分の興味がある分野については、中学の頃から積極的に探求し、関連する活動をしておくことで、将来何を学びたいのか明確になり、大学選びや出願時にも役立ちました。また、アメリカの大学は課外活動の経験やリーダーシップを重視するので、エッセイを書く際にも具体的なエピソードとして活かせる点が良かったです。早めに行動しておくことが大切ですね。

大学での日本人コミュニティについて教えてください。

ハーバードには日本人のコミュニティがありますが、全体の人数は少ないです。日本からの正規留学生は1学年に2〜4人程度で、交換留学生を含めても年間数名ほどしかいません。

最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!

日本の教育に慣れていると、最初は「自分の意見を主張すること」に戸惑うかもしれません。でも、自分を積極的にアピールする姿勢はとても大切です。留学を通じて、自分の意見をしっかりと伝えるスキルを磨いていくと、大学生活もより楽しく充実したものになると思います!ぜひ皆さんも自信を持って挑戦してください!

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