米・ジョンズ・ホプキンズ大学の留学体験談:JHUで体感する公衆衛生の最前線
アメリカ屈指の名門、ジョンズ・ホプキンズ大学(JHU)で公衆衛生を学ぶSumireさん。世界的に評価の高いプログラムであるDirect Matriculation Program(DMP)に所属し、学士と修士の資格を5年間で取得予定の彼女に、大学での経験について伺いました。
- 2024/11/2
- 2024/11/11
Sumireさん
Johns Hopkins University
専攻: Public Health
- ##正規留学生
- ##2024年入学
- ##理系
まずは、ジョンズ・ホプキンズ入学前のSumireさんの経歴について教えてください。
私は日本の女子校で小中を過ごし、高校からマサチューセッツのボーディングスクールに進学しました。アメリカの教育を早い段階から受けたいという思いがあって、高校4年間をボーディングスクールで過ごしました。そして、高校卒業後、ジョンズ・ホプキンズにストレートで入学しました。
Sumireさんの専攻されているコースについて教えてください。
私は大学でPublic Health、日本語では公衆衛生のコースをとっています。ジョンズ・ホプキンズには、公衆衛生と国際関係学関連だけ、Direct Matriculation Program (DMP) と呼ばれる、4年間の学部生活+1年間の大学院の計5年間でMastersの資格が取れるコースがあるんです。私もそのコースをとっているので、大学院もセットのコースをとっています。
Sumireさんはなぜアメリカ・ジョンズ・ホプキンズを進学先として選ばれたのですか?
Public Health分野のプログラムがしっかりしている大学を探して、JHUとUCLAに絞りました。実際にどちらのキャンパスにも足を運んでみたんですが、UCLAは規模が大きすぎて、学生同士や教授との距離が遠く感じました。JHUはほどよい規模で、周りの学生と顔見知りになれる環境だったので、ここに決めました。また、JHUは公衆衛生分野で全米1位の評価を持っているので、自分にとってベストの学びができると感じました。
ジョンズ・ホプキンズに出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。
ジョンズ・ホプキンズ大学への出願は、夏からエッセイの執筆を開始することから始まりました。私は、カウンセリングエージェントのサポートを受けながらエッセイを磨き上げていきました。毎週のセッションを通じて、エッセイを完成させ、12月までに20校以上に出願しました。ジョンズ・ホプキンズへはRegular Decision(RD)を利用してCommon Appを通じて出願しました。出願には、APの成績、推薦状、そしてエッセイを含みました。
特に重要な点として、私は大学入試でテストスコアを提出していません。アメリカの大学入試では、課外活動が非常に重要視されるため、テストスコアがなくてもトップクラスの大学に合格できることがあります。この点は、多くの受験生にとって非常に魅力的だと思います。
さらに、入学出願とは別に、DMP(デュアルディグリープログラム)への応募も行いました。そのために「グローバルヘルスに関して最も関心を持っている課題とその解決策」についての追加エッセイを記述しました。
ジョンズ・ホプキンズの特色について教えてください。
ジョンズ・ホプキンズ大学は、特に医学と公衆衛生分野での研究が盛んで、世界的に評価されています。大学内には病院もあり、インターンシップやボランティアで実務に携わる機会が豊富です。また、JHUはアメリカで最初の研究大学として、実験やリサーチを重視している点も大きな魅力です。大学のリサーチサイトには毎日のように新しい研究プロジェクトが掲載されていて、興味があれば学生も応募して参加できるんです。
実際にジョンズ・ホプキンズに行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
まず、教授との距離が近いことです。授業を通して名前を覚えてもらえるし、個人的なキャリアについての相談も気軽にできます。また、周りの学生が本当に優秀で、お互いに刺激し合えるのもありがたいですね。私の友人にはエンジニアや医療分野を目指している人も多く、切磋琢磨しながら一緒に成長している感じがします。刺激的な環境が勉強のモチベーションになっています。
さらに、インターンシップやボランティアの機会が多く、将来のキャリアを構築するためのサポートが充実している点も素晴らしいです。ワシントンD.C.にも近いので、大企業や政府機関でのインターンシップにもアクセスしやすい環境にあるのも大きな魅力です。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
JHUのクラブやサークルに入る際にはアプリケーションが必要で、エッセイや履歴書などの書類審査、面接を乗り越えた上でやっとクラブやサークルに入部できます。長い受験生活を終えた入学後にも入試のようなプロセスが待ち受けているのは少し大変でした。
ジョンズ・ホプキンズでの一般的な1日を教えてください。
正直、勉強量はとても多いですね。1日どれくらい勉強しているかと聞かれると、ほぼずっとという感じです(笑)。まず朝は10時頃から授業が始まり、午後3時までの間に2〜3コマの講義を受けます。各授業は1時間ほどなんですが、ラボのある日は3時間しっかり実習があるので、その分はけっこうハードです。
授業と授業の間には、友達とランチをしたり、図書館で勉強したりしてます。また、毎日ティーチングアシスタントが行うチュータリングセッションがあって、『寺小屋』のような感じで授業後の疑問をTAに質問できるので、勉強の理解がしやすいですね。
午後3時以降は図書館で勉強することが多いです。例えば、月曜日は授業が終わったあと、夜遅くまで図書館にこもって勉強しています。金曜や土曜でも夜遅くまで勉強している学生が多くて、図書館は賑わってますね。試験前は特に勉強時間が増えるので、図書館での長時間勉強が当たり前になっています。
キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?
キャンパス内には勉強するスペースがしっかり確保されていて、図書館と専用の勉強スペースがある建物が一棟ずつあります。2025年にはさらに増築予定なので、これから入学する人はもっと多くの学習スペースが利用できるかもしれません。特に試験期間にはどこもいっぱいになることがあるので、増設は嬉しいですね。
それから、研究施設が本当に充実しています。例えば、Chemistryのラボはフロア全体を使った大きな施設で、たくさんの教員が学生をサポートしてくれます。ジョンズ・ホプキンズでは、手術用ロボットが初めて開発された場所でもあって、研究ビルはアメリカでもトップクラスの施設です。ここで学べる環境が整っているのは、大きな魅力だと思います。
周りの学生の雰囲気はいかがですか?
私の周りの学生は、性格がよくて大人びた人が多く、入学してから友達は作りやすかったです。同じ教科の中でも、助け合いながら仲良くなる風潮があり、JHUの校風は気に入っています。
大学外での生活環境はいかがですか?
ジョンズ・ホプキンズでは、ほとんどの学生は最初の2年間は寮で過ごします。1年生は他の学生とシェアルームをし、2年生以降になると1人部屋が与えられるのが一般的です。3年生以降は友人と大学近辺のアパートを借りてシェアハウスする学生が多いです。
普段の生活圏はキャンパス内か近辺で完結します。スーパーなどの軽い買い物なども徒歩圏内で完結するので、楽ですね。
大学の近くにボルチモアというエリアがあるのですが、この街は治安が悪いことで有名ですので、避けたい地域です。街の北部エリアは比較的安全なので、ショッピングやレストランでの食事のため街に出たい場合は大学の無料のシャトルバスを使って北の方にいくことが多いです。また、大学から電車で30分ほどでワシントンに行けるので、休日は日帰りで都心まで足を伸ばすこともあります。
大学での日本人コミュニティについて教えてください。
日本人学生は、全体でも10〜20人ほどしかいないですね。日本の高校から直で入学した人はさらに少なく、現地校かインター校出身が多いです。交換留学生も毎年数名ほど来ます。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
ジョンズ・ホプキンズのような大学には日本からの留学生がまだ少ないですが、もっと多くの方が挑戦してくれたら嬉しいです。日本の理系教育はアメリカでも通用するし、実力を活かせる場所がたくさんあります。英語に不安があっても、周りは助けてくれるので、まずはチャレンジしてみてほしいです。新しい環境で学ぶ経験は、これからの日本のグローバル化に必ず活きると思います!