シンガポール国立大学の留学体験談:NUSで学ぶビジネスと不動産
アジアトップのビジネススクールとして名高いシンガポール国立大学(NUS)。シンガポールというグローバル都市で学ぶメリットは計り知れません。今回は、「Bachelor of Business Administration (Real Estate, Business Analytics)」を専攻するHirokiさんに大学生活やNUSの特徴、進学を考えている学生へのアドバイスを伺いました。
- 2024/12/3
- 2024/12/5
Hirokiさん
National University of Singapore
専攻: Bachelor of Business Administration (Real Estate, Business Analytics)
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- #2023年入学
- #文系
- #シンガポール
NUS入学前のHirokiさんの経歴について教えてください。
僕はシンガポールの高校を卒業後、2年間の兵役を経てNUSに進学しました。兵役期間中にも進学に向けて準備を進め、NUSでビジネスを学ぶ道を選びました。
Hirokiさんはなぜシンガポール・NUSを進学先として選ばれたのですか?
大学選びは、まずビジネス専攻を前提にアメリカとシンガポールに絞りました。アメリカではUMich、UPenn、UCB、Babsonなど、シンガポールではNUS、SMU、NTUのすべてにオファーをいただきましたが、最終的にNUSを選びました。
NUSを選んだ理由は、ビジネススクールの質がアジアでトップであること。そして、シンガポールという環境に馴染みがあり、留学コストも抑えられる点が魅力的でした。また、NUSには不動産プログラムがあり、アジアのハブであるシンガポールで不動産について学べるという点も決め手でした。
NUSの校風について教えてください:
NUSの校風は、非常に競争的でレベルが高いです。学生数が多く、マンモス校のような側面があるため、学校と学生の距離感は少し遠く感じることもあります。ただし、情報や機会を提供する場は豊富で、学生が自主的にそれを活用する形になっています。
実際にNUSに行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
NUSに進学して一番良かったと感じるのは、世界トップクラスのビジネススクールとしてのブランド力と、アジアのハブであるシンガポールの環境です。特に、インターンシップの機会や企業からのアプローチが非常に豊富で、キャリア形成に繋がる具体的なステップを踏むことができます。
例えば、NUSでは有名企業のエグゼクティブや業界の第一人者を招いたセミナーやトークイベントが頻繁に行われています。僕が特に印象に残ったのは、日本と中国の不動産市場の違いをテーマにした講義です。こうしたリアルなビジネスの視点を学べる機会は、NUSならではだと思います。
さらに、授業内容も最新のトレンドを取り入れており、例えばChatGPTを活用したビジネス活用を学ぶプラクティカルな授業などが行われています。これらの環境が、単に理論を学ぶだけでなく、実社会で役立つスキルを習得できる点がNUSの大きな魅力だと感じています。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
NUSで感じた課題として、まず外国人学生の割合が少ないことが挙げられます。全体の約3割が外国人学生ですが、体感としてはローカル色が強く、アジアの中でのダイバーシティはあるものの、必ずしも世界中からの学生が集まるグローバルな環境というわけではありません。そのため、国際色豊かな環境を期待している場合には少しギャップがあるかもしれません。
また、シンガポールでの現地就職は非常に競争が激しく、外国人にとっては特に高いハードルがあります。どれだけ頑張って良い成績を収めても、優秀なシンガポール人学生との競争が避けられず、さらにビザの問題なども関わってきます。
もう一つ苦労したのは、シンガポール特有の英語「シングリッシュ」です。ローカルの訛りやイントネーション、インド人や中国人の英語が混ざった会話は、初めての頃はほとんど聞き取れず苦労しました。英語力がそこそこあるレベルだと、シングリッシュに慣れるまでは大変かもしれません。これらはシンガポール特有の環境からくる課題ですが、徐々に慣れていける部分もあると感じています。
NUSの授業のスタイルについて教えてください
NUSのビジネススクールでは、授業が非常に実践的かつディスカッションベースで進行します。オンラインのビデオレクチャーを視聴して基礎知識を学び、それを基に対面のセミナーやワークショップで議論を深めるスタイルが主流です。グループプロジェクトも多く、学生同士のコミュニケーションや共同作業が重要になります。
ただし、講義に出席するだけでは追いつけない量の課題や予習があるため、授業外での自己学習の時間が欠かせません。このように、コンタクトアワー(実際の授業時間)は少なめでも、学生の自主性が試される学びの環境になっています。
キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?
NUSの施設は非常に近代的で、最先端の設備が整っています。シンガポール政府の支援を受けており、施設は常にアップデートされている印象です。特にビジネススクールの建物は、最新のテクノロジーを活用できる教室や学習スペースが充実しており、学びに集中できる環境が整っています。
キャンパス内には学生のための多くのカフェや休憩スペースがあり、リラックスしながら学ぶことができます。また、NUSは広大なキャンパスを持っており、施設内を巡回するバスが便利に利用できるのも魅力の一つです。
大学外での生活環境はいかがですか?
シンガポールは世界でも有数の治安の良い国で、公共交通機関やインフラが非常に整っています。電車やバスでどこへでもアクセスでき、街全体が住みやすく、学生生活を送る上でストレスが少ない環境です。
ただし、シンガポールは国が小さいため、週末の小旅行やレジャーには限りがあります。また、物価が高いため、食費や生活費には注意が必要です。それでも、寮生活やキャンパス周辺での暮らしは快適で、シンガポール特有の多文化が感じられる街並みや食事を楽しむことができます。特に治安の良さは大きな安心感に繋がっています。
在学中に印象に残ってるイベントはありますか?
NUSでは、学問的なセミナーや講演会が特に印象的です。例えば、日本と中国の不動産市場の違いをテーマにした講義では、業界の第一人者から最前線の知識を学ぶことができました。また、ChatGPTを活用したビジネス戦略に関するセミナーなど、最新トレンドを取り入れたプログラムもあり、実社会に直結する学びが得られます。
ただ、ソーシャルイベントや交流のための公式イベントは少なく、自由参加型のものがほとんどです。そのため、積極的にこうした機会を利用する姿勢が重要だと感じます。
入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?
準備しておいてよかったこととしては、兵役期間中に進学計画をしっかり立てたことです。特に、専攻に関連したモチベーションレターの準備や進学後の目標を明確にしておくことで、大学生活をスムーズに始めることができました。
また、シンガポールでの生活に備えて、現地の物価や文化について調べておくことも重要です。一方で、英語力については「シングリッシュ」に慣れるまでに苦労したので、事前にローカルの英語アクセントや習慣に触れておけば、さらにスムーズに馴染めたと思います。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
NUSはアジアのハブであるからアジアへのリンクはもちろん、英語ベースなのでウェスタンワールドへのリンクもあるようなある意味「いいとこ取り」をしている学校だと思います。
日本人としてのリンクがアメリカやイギリスよりもあるし、東南アジア、中国などのアジア各国の人種の人と強力なコネクションを築けるのは大きな魅力だと思います。もし大学選びをしている学生の方は是非シンガポールをオプションの一つとして考えてみてはいかがでしょうか!