米・ニューヨーク大学(NYU)の留学体験談:グローバルな都市で学ぶスポーツマネジメント
ニューヨーク大学(New York University, NYU)は、マンハッタンの中心にキャンパスを構える都市型の総合大学です。グローバルな視点で多様な学びの場を提供しており、世界中から集まる学生たちが様々な分野で学んでいます。今回は、NYUでスポーツマネジメントを専攻しているHideさんに、大学生活や入学前の経緯についてお話を伺いました。
- 2024/10/18
- 2024/11/4
Hideさん
New York University
専攻: スポーツマネジメント(BS Sports Management)
- #正規留学生
- #2022年入学
- #文系
- #アメリカ
NYU入学前のHideさんの経歴について教えてください。
日本で生まれ育ち、特に海外経験がないまま日本の学校に通っていました。ただ、当時留学していた姉の影響で、自分も海外で学んでみたいと感じるようになり、14歳でアメリカのボーディングスクール、IMG Academyに進学しました。テニスを本格的にやりながら、勉強にも力を入れて、18歳までの4年間を過ごしました。IMG卒業後、直接NYUに進学しました。
Hideさんはなぜアメリカ・NYUを進学先として選ばれたのですか?
大学選びの軸としては、都会に住みたいということと、ネームバリューのある大学を希望していました。BU、NYU、UC系の大学など合格しましたが、最終的にニューヨークという都市の魅力と、スポーツマネジメントを学べるプログラムが決め手となり、NYUに進学することを決めました。ニューヨークには多くの有名企業の本社があり、そうした企業とのコネクションや接点を持つ機会が多いのも魅力でした。
NYUに出願した上での、具体的なプロセスについて教えてください。
出願はCommon AppやUC Admissionを使って、BU、NYU、UC系などに併願しました。高校のアドバイザーと相談しながら、ジュニア(高校低学年)の頃から大学選びを意識して準備を進めていました。NYUに応募する上では、650文字のエッセイやGPAの向上、先生の推薦状を整えていくプロセスが必要でした。エッセイは、自分が苦労してそれを乗り越えた経験について書きました。コロナ禍の影響でSATはオプションだったので、受けましたが提出はしませんでした。
NYUの特色について教えてください:
NYUは、マンハッタンの中心部、グリニッジ・ビレッジにキャンパスを構える都市型の総合大学です。ニューヨークの多様な文化やビジネスの中心地に位置しており、都市の活気あふれる環境を活かして学べることが大きな特徴です。
また、学問プログラムも非常に強力で、特にロースクールやビジネススクール(Stern Business School)は全米トップクラスの評価を得ています。さらに、芸術学部であるTisch School of the Artsは、ニューヨークという芸術の街ならではの魅力を活かし、FilmやActingなどの分野で世界中から優れた教授と情熱的な学生が集まることで知られています。NYUでは、これらのトッププログラムをモジュールとして受講することも可能で、他の専攻の学生も学びの幅を広げることができます。
実際にNYUに行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
やっぱりNYUのネームバリューは大きいと感じます。就職活動の際に企業から認知されやすいのは強みですし、卒業生のネットワークも広くて頼りになるので、進路選びやキャリア形成の際にも心強いサポートを得られます。
さらに、NYUには著名な教授が多く集まっており、特にニューヨークに本社を構えるトップ企業の役員クラスや経験豊富な社会人が客員教授として授業に関わることが多いのも魅力です。幅広い学部が高水準のプログラムを提供しており、ビジネスやアート、メディカル、エンジニアリング、ロースクールなど、どの分野でも世界トップクラスの教育を受けることができます。専攻を変更する場合も、内部でメジャーのトランスファーができる柔軟さもありがたい点です。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
これは完全に学生の好みによりますが、キャンパスの形態が好き嫌いが分かれますね。NYUは都市型の大学で、各学部の施設がマンハッタンの街中に点在しているため、いわゆる一体型のキャンパスは存在しません。そのため、特定の学部のビルにしか行かない場合、他の学部の学生と日常的に交流する機会が少ないです。学生が街中に散らばっているので、自然にお互いの接点を作るのが難しいと感じることもあり、アメリカ特有の広いキャンパスでの学生生活をイメージしている人には向いていないかもしれません。
また、スポーツ施設があまり充実していない点もデメリットです。ニューヨークの土地柄もあって、サッカーコートやゴルフ部などのアクティビティが制限されているため、スポーツに力を入れたい人にとっては物足りなく感じるかもしれません。
さらに、NYUの寮についても古くて高いことが多く、エアコンがない部屋もあるなど、生活面で不便を感じることがあります。ニューヨーク全体の物価や家賃はアメリカ国内でもトップクラスに高いため、生活費がどうしてもかさむのも現実です。
NYUの授業について教えてください
NYUの授業は、1日あたりおおよそ2コマ、合計で3〜4時間ほどが一般的です。授業の形式はレクチャーやディスカッション、プロジェクトベースの授業など様々ですが、スポーツマネジメントを含めたプログラムでは、特に実践的なプロジェクトが多く取り入れられています。そのため、授業外でもグループでのミーティングやタスクが頻繁にあり、チームで協力しながら進めていくスタイルが特徴的です。
大学外での生活環境はいかがですか?
NYUでは、基本的に1年目は寮に住むのが一般的です。キャンパス内やその周辺にいくつかの寮があり、通学が便利で、初めての環境でも安心して過ごせるように整っています。2年目以降は、友人とシェアハウスをして住む学生が多いです。ニューヨークはアメリカ国内でも家賃や物価が高いエリアなので、シェアハウスで生活費を抑えることが多いですね。
休日は、友人と一緒に公園へ行ったり、ショッピングを楽しんだりしています。ニューヨークは、マンハッタンやブルックリン、ウォール街など、場所ごとに異なる雰囲気があって歩くだけでも楽しいです。おしゃれなカフェやレストランがたくさんあるので、飽きることなく色々なスポットを探検できます。
治安については、ニューヨーク全体では良いとは言えない部分もありますが、NYUは警備員の配置やセキュリティ対策にしっかり投資しているので、キャンパス周辺での生活は比較的安心です。夜遅くに帰宅する際にも安心感があるのは大きなポイントです。
在学中に印象に残ってるイベントはありますか?
NYUでは、学生同士が交流するイベントは他の大学に比べると少ないかもしれませんが、その分、講演会やセミナーなど、各方面から著名人が集まるイベントが多く開催されています。大学全体での講演会やイベントだけでなく、各コースでも1学期に2人以上のゲストスピーカーが招かれることが一般的です。
特にスポーツマネジメントのコースでは、ナイキ、DAZN、ESPN、NFLといった大手企業からゲストスピーカーが来てくれます。業界のプロフェッショナルたちが、実際のビジネスの現場での経験やトレンドについて話してくれるので、とても刺激的で学びが多いです。こうしたイベントを通じて、業界の最新情報に触れたり、将来のキャリアを考えるヒントを得られるのが大きな魅力だと感じています。
入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?
入学前に準備しておいて良かったと感じるのは、現地へのカレッジビジットです。実際にニューヨークに足を運んでみて、街の雰囲気やキャンパスの勉強環境が自分に合っているかどうかを確かめることができました。特に、NYUのように都市型の大学では、街全体がキャンパスのようなものなので、実際にその場所を歩いてみることでイメージがより具体的になりました。
大学での日本人コミュニティについて教えてください。
NYUには日本人のコミュニティはありますが、学部生として在籍している日本人はそれほど多くなく、多くて20人ほどです。日本の高校を卒業して直接進学してきた学生もいれば、海外のボーディングスクールやインターナショナルスクールを経て入学してきた学生もいます。全体的に、日本からの正規の学部生は少ないですが、交換留学生として数人程度が毎年在籍している状況です。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
言語の壁などで大変な部分もあるかもしれませんが、同じような境遇の学生が周りにたくさんいるので、あまり心配しすぎないでください。先生との距離も最初は詰めにくいかもしれませんが、自発的に質問したり、わからないことをしっかり伝えると、意外と助けてくれる人が多いです。また、日本人とあえて距離を置こうと思う人もいるかもしれませんが、情報交換やサポートの面で関わりを保つことも大事だと思います。周りに流されず、自分の芯を持って、留学生活を楽しんでください!