logo
Interview Header

留学体験談

Stanford University

スタンフォード大学

スタンフォード大学の留学体験談:イノベーションの最前線で学ぶ魅力とは?

アメリカ有数の名門校、スタンフォード大学。シリコンバレーの中心地に位置し、起業家精神や革新的な教育方針で知られています。今回は、スタンフォード大学でデータサイエンスを専攻し、日々挑戦を続けるShinさんに、リアルな学生生活についてお話を伺いました。Shinさんの視点を通して見えるスタンフォードの魅力や日々の学生生活を紐解いていきます。

2024/10/14
2024/10/21
Shin

Shinさん

Stanford University

専攻: データサイエンス(BS Data Science)

    スタンフォード入学前のShinさんの経歴について教えてください。

    僕は日本の関西地方出身で、3〜5歳の頃に父の仕事の都合でアメリカに住んでいました。その幼少期の経験が、海外を意識するきっかけになったと思います。帰国後は、英語力を保つために週末に通っていたサタデースクールで最低限の語学力をキープし、中学受験を経て兵庫の中高一貫進学校へ進学しました。

    当時、僕の学校では海外大学への進学者は少なかったものの、英語の教師に「せっかく英語ができるなら、海外大学も考えてみてはどうか」と勧められたのをきっかけに、中学の後半あたりから海外進学を意識するようになりました。

    その後、課外活動の一環として参加したWSC (World Scholar’s Cup) の大会で、海外大学を真剣に目指す先輩たちと出会い、私も本格的に海外大学への進学を志すようになりました。両親と相談し、日本の大学とアメリカの大学の双方に出願することに決め、奨学金の応募も含めて受験勉強を進めていきました。

    Shinさんはなぜアメリカ・スタンフォード大学を進学先として選ばれたのですか?

    スタンフォード大学に最初から進学を志望していた理由は、幼少期に大学を訪れた時の憧れがあったからです。その後も、シリコンバレーの近くで多くのスタートアップ企業やテクノロジー系企業に囲まれた環境に惹かれ、自然とスタンフォード大学を第一志望とするようになりました。

    また、スタンフォードのEarly Decision(早期出願)では合格率がRegular Decision(通常の出願)よりも高いため、戦略的にも一番志望していたスタンフォードに最初に挑戦することに決めました。

    スタンフォード大に出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。

    スタンフォード大学へはEarly Decisionで出願しました。Common Appを通じて申請し、エッセイ、先生からの推薦状(3本)、高校の成績表を提出しました。推薦状や成績の提出は高校の先生がポータルサイトに直接入力しなければならず、先生方の英語力に頼らざるを得なかったため、放課後に先生と一緒に作業を進めていきました。

    出願後、1ヶ月ほど経った頃に大学から面接の通知を受け取りました。当時はコロナ禍だったため、オンラインでの面接となり、スタンフォード卒業生の面接官と1対1で行いました。面接では、大学に対する意欲や将来のキャリアプランについて問われ、残りの時間は大学について逆質問する機会もありました。その後、12月末頃に合格通知を受け取りました。

    Shinさんが思う、スタンフォード大学の特色について教えてください。

    まず一つ目は、理系色の強いカリキュラムですね。学生の約半数がコンピューターサイエンス系の授業を取っており、文系の学生であってもプログラミングに触れる機会が多いんです。スタンフォードでは、文系、理系問わずPythonなどのプログラミング基礎科目を履修することが一般的です。僕自身、高校までは文系志向だったにもかかわらず、自然とデータサイエンスに興味を持ち、専攻として選ぶまでに至りました。

    また、大学の校風として、学生同士での助け合いの精神があるのも魅力的に感じます。スタンフォードでは、他大学と異なり、学生同士が協力し合いながら勉強に取り組む風潮があります。ライバルというよりも仲間として、お互いの成長を支え合うカルチャーが浸透しており、特に試験期間中などは、教え合いながら和気藹々と一緒に勉強する姿が見られます。

    スタンフォード大学は起業家精神が強い大学として知られていますが、そこも実際在学する中で感じる部分でしょうか?

    そうですね。大学がシリコンバレーの中心に位置しているため、学生の間でも起業やスタートアップへの興味が高く、在学中に企業でインターンをする学生も多いです。教授陣や周りの学生からも新しいアイディアを生み出すことが奨励されており、イノベーティブな環境が魅力です。

    実際にスタンフォード大に行ってみて良かったと感じる点を教えてください。

    実際にスタンフォードに進学して良かった点は、やはり学問と研究の環境の充実度です。スタンフォードには最先端の研究施設やラボが揃っていて、学問に対して惜しみなく投資している姿勢を感じます。僕はデータサイエンス専攻なので、リソースや設備が充実しているのは本当にありがたいですね。

    また、学年1〜2年生向けに提供される、日本でいうゼミ的な「Introductory Seminar (IntroSems)」という少人数制のクラスがあり、教授と密に議論できる機会があるのもスタンフォードならではです。僕は1年生のときに心理学のクラスに参加したのですが、世界的に著名な心理学の第一人者的な教授の下で授業を受けました。専攻とは異なる分野で深い知見を得ることができたのは大変良い経験でした。

    さらに、課外活動も充実しており、僕は和太鼓クラブに所属して1年生から活動しています。大学側からの運営サポートもあり、さまざまなアクティビティを通して、文化的なつながりを深められることも大きな魅力です。

    キャンパスライフについてはいかがですか?

    スタンフォードのキャンパスライフは、予想以上に充実しています。特に印象的なのは、キャンパスの広大さと自然環境の豊かさです。総合大学としては比較的学生数も少なめの大学のため、学生一人一人に割り当てられるスペースが広い印象です。緑に囲まれた環境は、日々の学業の合間にリラックスできる場所でもあります。

    また、寮は4年間保証されており、学生同士のコミュニティが非常に強いです。アメリカだとリベラルカレッジ以外で4年間寮が保証されているのは珍しいのではないかと思います。

    写真:キャンパスの一コマ

    逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?

    正直、寮のクオリティはそれほど高くないと思います。学生数が増加している中で、寮のスペースが不足しており、1人部屋だったスペースに無理やり2人部屋詰め込まれるなど、住環境にストレスを感じることはあるかもしれません。

    また、キャンパスが非常に広大であるが故に、大学の外に出る機会が自然と少なくなりがちです。近辺の街は住宅街が中心で、最寄りの大都市であるサンフランシスコには1時間以上かかるため、キャンパス内で生活が完結してしまう傾向があります。ご飯も食堂で食べるので、買い出しとかに行く機会も少なく、良くも悪くもクローズドコミュニティになってしまうところはあります。

    学校での1日のスケジュールはいかがですか?

    学期にもよりますが、平日は1日に授業が2〜3コマあり、主に午前から夕方まで講義を受けています。授業が終わった後は、大学の図書館に移動して課題やレポートに取り組むことが多いです。夕方からは和太鼓クラブの練習が週に2回あり、しっかりと時間をかけて練習を行っています。

    土日は和太鼓クラブの外部公演やイベントに参加することが多く、外出することもあります。それ以外の時間は、課題やレポートの提出に向けて勉強をしたり、リラックスしながら過ごしています。全体的に、学業と課外活動のバランスを取りながら生活しています。

    写真:Shinさんの1週間の授業のスケジュール

    在学中に印象に残ってるイベントはありますか?

    スタンフォードには、政治経済界の大物が登壇するイベントが多々あります。特に印象に残っているのは、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインのイベントで政治学の教授と対談したり、日本の岸田首相がスタンフォード生と対談したことです。こうしたトップレベルのリーダーから直接話を聞けるのは、スタンフォードならではの貴重な機会だと思います。

    あと、UCバークレーとスタンフォードは、長い歴史を持つライバル関係にあり、毎年開催されるアメリカンフットボールの試合「ビッグゲーム」では大学中が熱狂します。キャンパスは試合前から活気にあふれ、学生たちは校内の各所に応援メッセージや装飾を施し、試合当日にはスタジアムに大勢の学生とサポーターが集まってチームを応援します。大学が一体となるイベントとしては、印象的でしたね。

    入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?

    専攻について、事前にある程度計画を立てておくことはとても大切です。例えば、自分が目指す専攻に必要な必修科目や前提条件(Pre-requisite)をあらかじめ調べておくことで、入学後の授業選択や履修計画をスムーズに進められます。僕は、1、2年生の頃は特に専攻を深く考えず、興味の赴くままにいろいろな授業を取っていました。3年生になって専攻をデータサイエンスに決めてからは、急いで数学やコンピューターサイエンスの授業を履修しなければならず、毎日必死に課題や予習に追われる日々を送りました。反面教師ですが、早めに専攻を決めておくのが良いと思います。

    また、専攻を決めるにあたって、自分の興味のある分野が広がることを見越して柔軟な計画を立てておくと良いです。例えば、1年生のうちにいろいろな科目を幅広く履修しておくことで、将来興味の方向性が変わった場合でも、すぐに新しい専攻に移行できるようになります。大学での専攻選択は将来のキャリアや学業の道を大きく左右するので、早めに選択肢を広げるような計画を立てることが重要だと思います。

    大学での日本人コミュニティについて教えてください

    スタンフォード大学の学部には、毎年2〜3人の日本人学生が入学しており、全体で10人ほどが在籍しています。最近は日本から直接進学する学生も増えており、以前に比べて日本人の存在感が少しずつ大きくなっている印象です。学部生に比べると大学院生の数はさらに多く、各分野で専門的な研究をしている学生が集まっています。

    最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!

    日本の高校生の中にも、海外大学に進学できるポテンシャルを持っている人はたくさんいると思います。海外大学への進学を一つの現実的な選択肢として考えてほしいです。まずは身近にいるロールモデルを見つけ、積極的に関わることで、自分の可能性を広げていくことが大切です。そうした環境に身を置くことで、留学という選択肢がより具体的に見えてくると思います。

    また、留学に興味を持ったら、少しでもその興味を深掘りしてみてください。海外大学に進学することは、勉強や生活面での大きな挑戦となりますが、その経験は必ず自分自身の成長や将来に繋がる貴重な財産になります。留学を通じて得られる視野やネットワーク、経験は日本国内では得られないものが多いので、ぜひ前向きに挑戦してみてください。興味を持ったら、その一歩を踏み出すことが大切です!応援してます!