英・オックスフォード大学での留学体験談:世界最古の名門大学での学びと生活
オックスフォード大学は、イギリスを代表する世界最古の名門大学であり、学問の歴史と革新を両立させた教育環境で知られています。特に経済学や経営学といった分野では、世界的に高い評価を受けており、多彩な専攻、少人数のチュートリアル制度、そして国際色豊かな学生コミュニティが特徴です。 今回は、オックスフォード大学で経済学と経営学を専攻するYさんにインタビューを行いました。Yさんがイギリスとアメリカの大学からオックスフォードを選んだ理由、出願のプロセス、そして現地での生活や課外活動まで、リアルな声をお届けします。オックスフォードでの学びや挑戦について知りたい方は、ぜひ参考にしてください!
- 2024/12/3
- 2024/12/3
Yさん
University of Oxford
専攻: 経済学・経営学(BA Economics and Management)
- #正規留学生
- #文系
- #イギリス
Yさんはなぜイギリス・オックスフォード大学を進学先として選ばれたのですか?
正直、アメリカのビジネススクールともかなり迷っていました。最後まで悩んだ末にオックスフォードを選んだのは、チュートリアル制があることや、勉強も住む環境も自分に合っていると感じたからです。教授と1対2でディスカッションをするチュートリアル制は、よりアカデミックな視点で自分の考えを深めることができるので、自分にぴったりだと思いました。
ビジネススキルだけでなく、自分で考える力を養いたいと思っていたので、オックスフォードの静かな環境で、友達とも近い距離で学べる環境が魅力的でした。他にはLSEも考えていましたが、オックスフォードの方が自分の学び方に合っていると感じて決めました。
オックスフォード大学に出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。
私はアメリカとイギリス両方の大学に出願していたので、SATのスコア取得やエッセイ作成など、できるだけ早めに終わらせられることは高校2〜3年で済ませていました。最終学年の8月にはCommon Appを始め、9月〜10月にPersonal Statementを書いて、10月にUCASを通してオックスフォードへの出願を完了しました。
オックスフォードでは書類審査を通過するとTSA(入試試験)を受ける必要があり、都内の試験会場で受験しました。この試験でさらに足切りがあり、次の段階としてインタビューが行われます。オックスフォードのインタビューはとても特徴的で、教授との1対1の対話形式で進むのですが、実際の授業スタイルに似た形で、考え方やロジックを試されます。私のインタビューでは「AさんとBさんの労働競争」や「火星開拓の方法」といった質問が出て、学術的な観点からロジックを組み立てて考える力が求められました。
出願は大学ではなくカレッジごとに行い、インタビューの段階で他のカレッジからもインタビューが来ることがあります。カレッジごとに採用する学生の人数が決まっているので、学びたい教科の枠に入る必要があります。試験とインタビューは11月から12月にかけて行われ、結果は1月に一斉に発表されるので、日本の大学の合格発表と似た感じです。
オックスフォード大学の校風について教えてください。
オックスフォードの学生生活は、何と言ってもカレッジごとのつながりがとても強いことが特徴です。カレッジは単なる寮以上のもので、アイデンティティーの一部として存在していて、ここに住むことで友達と授業や食事を一緒にしたり、カレッジ内で開催される音楽イベントに参加したりと、親密な関係が築きやすい環境になっています。ロンドンの大学ではアパート生活が多く、2年目以降は友達と離れがちですが、オックスフォードでは近くにいられるので、仲良くなりやすいですね。
また、オックスフォードには自分の興味を探求し、将来に向けてアクティブに行動する学生が多いです。サークルや研究、インターンシップなどを通じて、Inspiringな活動をしている人が身近にたくさんいるので、自分も良い刺激を受けながら成長できる環境だと感じています。
実際にオックスフォード大学に行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
オックスフォードでの生活はとても良く、何よりも友達に恵まれたことが大きな収穫です。親しい仲間とともに、刺激的な学びや経験を共有できる環境は本当にありがたいですね。また、オックスフォードの学びの中で、世の中の情報を自分なりに解釈し、鵜呑みにせずに取捨選択する力が自然と身につきました。
この大学では、広い視野を持ちつつ自分の意見を作ることができる環境が整っていて、いろいろなバリューを身につけたいという自分の希望を超えるほどの学びを得ています。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
オックスフォードでの勉強はかなりハードです。学期が8週間と短いため、授業のカリキュラムがすごいペースで進んでいきます。他のイギリスの大学では10週間が多い中、オックスフォードはそれを8週間に詰め込んでいるので、毎週中距離走を走り続けている感覚です。学期が始まると、休む間もなく勉強についていかなければならず、少し気を抜くとすぐに遅れを取ってしまいます。
この短期間で進む授業のせいで、時には内容をしっかり理解する前に次のトピックに移ってしまうこともあるので、その点は大変さを感じます。
オックスフォード大学の授業のスタイルについて教えてください
オックスフォードの授業はイギリスでも珍しいチュートリアル制が特徴です。毎週、レクチャーと課題があり、課題としてエッセイや問題集を解くことが求められます。チュートリアルでは、教授と1対2で課題の答え合わせやフィードバックをもらい、その週に学んだ理論をさらに深掘りしていきます。
エッセイは1回1500字ほどで、執筆のためのリーディングリストが渡されます。準備にかける時間の7割はリーディングに費やし、残り3割でエッセイの計画と執筆をします。1日か2日でエッセイを書き上げる必要があり、これが毎週2〜3回ほどあります。この形式のおかげで、理論をしっかりと理解し、自分で考える力を養うことができると感じています。
キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?
オックスフォードのキャンパスは街全体に点在していて、カレッジごとに食堂や図書館、寮、授業を受ける部屋が整っています。大学の施設としては、大きな図書館や学部ごとの建物があり、ビジネススクールやエンジニアリングの施設などがそろっています。
図書館はオックスフォードらしい歴史ある建物から、新しいデザインのものまであり、気分に合わせて使い分けることができます。特に、ビジネススクールの建物は近代的で、伝統的な建物とのバランスが取れた環境です。趣のある建物が多く、勉強に集中できるだけでなく、歴史や雰囲気も感じられるところが気に入っています。
大学外での生活環境はいかがですか?
オックスフォードは学生街として便利な環境が整っています。街中にはカフェや飲食店がたくさんあり、学生が多く集まるので、アカデミックな雰囲気が感じられます。ショッピングモールや公園もあり、日常生活に必要なものは基本的にすべて揃っています。
ロンドンほどの賑やかさはありませんが、その分落ち着いていて勉強に集中しやすいです。治安も比較的良く、警戒は必要ですが、女性としても特に不安を感じることなく生活できるのはありがたいです。
Yさんが行っている課外活動について教えてください。
オックスフォードには多種多様な学生団体があり、キャリア系の金融グループやコンサルクラブから、趣味系のシアターやアーツまで幅広い選択肢があります。ほとんどのサークルのイベントは誰でも参加できるので、興味に応じてさまざまな経験を積むことができます。サークルも複数入れます。私も3〜4つの団体を並行して活動しており、そこで出会う人たちと広がるコミュニティも魅力です。
スポーツについても、私は色々なものをオックスフォードに入ってから試しました。学期のスタートごとに開催されるtasterセッションに参加し、アーチェリーやボートなど新しいスポーツにチャレンジしています。オックスフォードは学生フレンドリーな街なので、色々な活動に気軽に挑戦できるのが嬉しいですね。
在学中に印象に残ってるイベントはありますか?
オックスフォードで一番印象に残っているイベントといえば、なんといっても“Ball”です。これは春に各カレッジで開催されるイベントで、参加者はドレスやスーツを着て参加します。ディスコやバンドの生演奏、屋台が並ぶなど、まるでお祭りのような雰囲気で、友達と一晩中楽しむことができるんです。
Ballは夜8時に始まり、終わるのは朝の5時頃です。イベントの最後には“サバイバーズブレックファスト”と呼ばれる朝食が提供され、朝まで楽しみ続けてサンドイッチを食べるのがゴール!オックスフォードではスーツやドレスを着て参加するイベントは多いですが、Ballはその中でも特にハイライトといえる一大イベントですね。
入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?
オックスフォードの入試は、課外活動よりもアカデミックな基準で評価されるので、出願する学科に関連した活動をしておくと有利です。例えば、私は経済学を受験するにあたって、経済関連のエッセイコンテストに参加しました。こうした活動がインタビューでも話題になり、自分の関心や理解をアピールできる場面が増えました。
このように、学問に関する具体的な活動を準備しておくと、インタビューでの会話が深まり、自分の意欲や興味をしっかり伝えることができると思います。
大学での日本人コミュニティについて教えてください。
オックスフォードには1学年に4〜5人ほどの日本人がいます。日本から直接来た学生もいれば、イギリスで育った日本人もいて、それぞれ異なるバックグラウンドを持っています。コミュニティは人数が少ない分、お互いの距離が近く、サポートし合える関係が築かれています。
ほとんどの日本人学生が大学のJapanese Societyに所属していて、定期的に集まって情報交換や交流の場を持っています。小規模な分、タイトで親しみやすいコミュニティなので、心強い存在です。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
留学を考えているなら、2年ぐらいのスパンで計画を立てて準備を進めることが大切です。エッセイや試験の準備も早めに始めておくと、焦らずに取り組めます。スケジュールを立てる一方で、最新の情報を取り入れながら柔軟に対応していくことも忘れずに。
もしオックスフォードに興味がある方がいれば、挑戦する価値は大いにあると思います。勉強は確かに厳しいですが、しっかり取り組んでいれば、充実した私生活とともに実りの多い学生生活が送れるはずです。迷わず飛び込んでみてください!