カナダ・トロント大学での留学体験談:多様性と学びの選択肢が広がる大学生活
トロント大学は、多様な学びの機会と学生生活を提供する、北米で最も規模の大きい大学のひとつです。今回のインタビューでは、経済学を専攻し、コンピューターサイエンスと数学を副専攻しているChihanaさんに、トロント大学での学生生活や、大学選びの背景、そしてカナダでの生活について伺いました。彼女の視点から見える、トロント大学の魅力やリアルな体験をお伝えします。
- 2024/11/5
- 2024/11/15
Chihanaさん
University of Toronto
専攻: 経済学(Economics Focused in Data Analytics & Minor in Computer Science and Mathematics)
- #正規留学生
- #文系
- #カナダ
トロント大学入学前のChihanaさんの経歴について教えてください。
私は日本の私立学校で育ちました。中学まではいわゆる“純ジャパ”の環境で、英語も特別に話せるわけではなかったんです。中学3年のときに、日本のインターナショナルスクールのサマースクールに参加したことが大きな転機となりました。そこで、多国籍な環境での交流がすごく楽しくて、留学したいと思うようになりました。それがきっかけで、中学卒業後はニューヨーク州のボーディングスクールに留学し、4年間過ごしました。その後、トロント大学に進学しました。
Chihanaさんはなぜカナダ・トロント大学を進学先として選ばれたのですか?
実は、最初はアメリカの大学をメインに受けていました。アメリカの大学は、APや課外活動などの4年間を通した経歴が選考の重要な要素になるんです。一方で、カナダの大学は出願時の成績を重視するシステムで、当時の自分にはカナダの方がチャンスがあるかもと思い、トロント大学も候補にしました。最終的にトロント大学を選んだのは、ネームバリューに加えて、幅広い学問の選択肢がある点です。現在は経済学を専攻しながら、コンピューターサイエンスと数学も並行して学んでいて、選んで正解だったと思っています。
トロント大学に出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。
出願はトロント大学専用のポータルを使って行いました。1月のギリギリのタイミングで提出しましたが、基本的には高校の成績表だけを提出しました。APやSAT、課外活動の記録も提出できるオプションはありましたが、私は成績だけで出願しましたね。最終的に4月頃にオファーをもらいました。学部によってはエッセイも必要な場合がありますが、私はArts & Science系の学部だったので、特にエッセイの提出はありませんでした。
トロント大学の校風について教えてください。
トロント大学はマンモス校なので、学生のタイプもさまざまです。全体的には真面目な学生が多い印象ですけど、UBCのように大学全体で盛り上がるイベントが少ないため、個々での活動が中心になりがちです。学生はそれぞれの興味に基づいた活動に参加していて、自由な雰囲気を感じます。
実際にトロント大学に行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
まず、カレッジ制がすごくいいですね。オリエンテーションから卒業まで、カレッジごとにイベントや行事が行われるので、入学時から一つのコミュニティに属している安心感があります。また、トロントは多様なバックグラウンドを持つ学生が多く、ダイバーシティに富んでいます。アジア系のコミュニティも大きいので、日本人としても居心地の良い環境だと思います。
あと、履修のカスタマイズ性が高くて、異なる分野を同時に学べる点も魅力です。私も実際経済学をMajor専攻しながら、数学、コンピューターサイエンスを副専攻みたいな形で並行してとっているので、幅広い学問を学びたい人にはおすすめです。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
これは大学とは関係ないですが、とにかく気候が寒いですね(笑)。冬はマイナス20度近くまで下がることもあります。ニューヨーク州のボーディングスクールにいた頃よりも寒いです。
それと、トロント大学はマンモス校なので、友達との距離感が広がりすぎることもあります。特に、選択する科目によって友達グループが分かれてしまい、ちょっと寂しい部分もありますね。先ほど話したように、履修のカスタマイズ性があるからこそ、学生たちもそれぞれ個々のスケージュールで動いているので、単独行動になりがちです。
トロント大学の授業のスタイルについて教えてください
授業スタイルは、基本的には大人数のレクチャーと少人数のチュートリアルがセットになっています。1年生の経済学の授業では、500人ほどの学生がいたので、講義中に気軽に質問できる雰囲気ではないですが、Office Hoursを利用して教授に個別に質問することができるので、能動的にコミュニケーションを取りに行くことで教授とも近づけます。
キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?
キャンパスは街中に点在していて、大学が街に溶け込んでいるような雰囲気です。特に、キャンパスの中心にあるUniversity Collegeの前の芝生エリアは、暖かい季節になると学生たちが集まってリラックスしたり、勉強したりしています。建物はヨーロッパ風のデザインで、趣があるんです。トロントはかつてイギリスやフランスの領地だった影響もあるのか、キャンパスにもその名残が感じられます。
大学外での生活環境はいかがですか?
1年目はカレッジの寮に住んでいました。寮の規模や施設の新しさはカレッジによって異なるので、一概には言えないですね。私の住んでいた寮は快適でした。2年目以降は友達とシェアハウスをして、街中で生活しています。
トロントという街自体は生活しやすいですね。アジアンスーパーも充実していて、日本食材も手に入りますし、映画館やショッピングモールも多く、休日も楽しめます。街は大きすぎず小さすぎず、主要な場所は徒歩圏内にまとまっているので、移動にも不便を感じません。治安においても特別危険ではないですが、地下鉄は少し不気味に感じることもあるので、夜遅くに一人で歩くのは避けた方が良いかもしれませんね。
在学中に印象に残ってるイベントはありますか?
カレッジ対抗の運動会がオリエンテーションウィークに開催されたのは、特に印象に残っています。初めて自分のカレッジとして団結し、College Spiritを育むことができました。コミュニティとしての一体感が増して、自分のカレッジに対する愛着も湧いた瞬間でしたね。
入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?
やはり寒さ対策が重要ですかね。トロントの冬は非常に寒いので、しっかりした防寒具を持っていくことが大切です。それから、入学前にFreshmanグループチャットに参加しておいて良かったです。そこでカレッジや同じ専攻の学生と触れ合う機会があり、大学生活が始まった時にすでに友達ができていたのは心強かったです。もちろん、最初は友達作りに苦労するかもしれませんが、焦らずに色々な人に話しかけることが大切です。時間とともに解決しますよ。
大学での日本人コミュニティについて教えてください。
トロント大学には日本人のコミュニティがあります。学年ごとに30〜50人ほど、全体では150〜200人くらいの日本人学生がいます。特に印象的だったのは、年度初めにUTJN(University of Toronto Japan Network)が主催したイベントです。100人以上の日本人学生が参加し、皆で盛り上がりました。トロント大学は3つのキャンパスに分かれているため、全体の日本人学生の数を把握するのは難しいですが、日本人コミュニティは比較的大きく、サポートも充実していると思います。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
留学中、勉強が大変な時でも、友達がいたから乗り越えられました。留学先での友達とのコネクションが一番大事だと感じています。クラブ活動やソサエティのイベントに積極的に参加して、焦らず、いろいろな人に話しかけることが大切です。自分に合ったコミュニティが自然と見つかると思うので、ぜひ楽しんで挑戦してください!